両目の視線が同じ方向を向かない状態を斜視といいます。 片目は目標物を見て、もう一方の目は「違う方向」を見ている状態。 「違う方向」には、内向き、外向き、上向き、下向きがあり、それぞれ内斜視、外斜視、上斜視、下斜視といいます。
割合としてはクラスに1人ぐらいです。 常に斜視が存在する場合(恒常性斜視)と、時々斜視の状態になる場合(間歇性斜視)とがあります。また、生まれた直後から斜視が明らかに存在する場合と、成長してから目立ってくる場合とがあります。
大人でも眠かったり酔っていたりすると目の位置がずれることがありますね。お子さんも寝起きなどにちょっとずれる程度は問題ありません。
赤ちゃんは鼻の根元が低くて広いために、あたかも内斜視のようにみえることがあります。見かけ上のものであり、本当に斜視があるわけではないのでこれを偽斜視といいます。成長に伴い顔立ちがはっきりしてくると目立たなくなります。
斜視の種類や年齢に応じて治療法も異なりますが、治療の目標は大きく3段階に分かれます。
まず一番大切なことは、両目の視力をよくすることです。斜視ではずれている方の目が弱視になっていることがあり、これを改善してあげることが斜視治療の第一歩です。
次に、目の位置をまっすぐにしてあげることです。眼鏡を使用するだけでまっすぐになることもありますが、場合によっては手術を必要とします。斜視の種類によって、手術が必要かどうか、何歳のときにどのような手術を行うかなどが異なります。
最後の目標は、両方の目で物を見る力を獲得することです。両方の目で見たものを、脳で一つの像にまとめる機能を両眼視といいます。両眼視機能によって見た物が立体感をおびたものになります。斜視の種類によっては、早期からきちんと治療を行っていても両眼視の獲得が難しいことがあります。
弱視とは目そのものは健康ですが、眼鏡やコンタクトレンズをつけても視力が弱い目をいいます。 弱視は、乳幼児期の視力の発達を妨げる原因により起こります。
両眼視とは左右それぞれの目でみた像を、脳でまとめてひとつの物として見るようにする能力をいいます。 両眼視機能が正常に発達すれば、奥行きの感覚や、立体感がうまれます。