※色覚検査は予約優先になります。ご希望の方は、クリニックまで直接お問い合わせください。
検査には大変お時間がかかりますので、午前10:30まで・午後17:30までに来院していただくようお願いしております。
すべての色を識別できない全色盲や、ある1つの色が識別できない、或いは、識別しづらい部分色盲、色弱などがあります。 先天色覚異常は、全色盲、先天赤緑色覚異常、先天青黄色覚異常に分けられますが、大部分を占めるのが先天赤緑色覚異常で、その頻度は日本人の場合、男性の20人に1人 (5%)、女性の500人に1人(0.2%)といわれます。 当院では下記の検査を行っています。
色覚異常の方には分かりにくい色の組み合せを使って主に数字を書いてあるものです。
赤、橙、黄橙、黄、黄緑、緑、青緑、緑青、青紫、紫、赤紫、と少しずつ色が変わってまたもとの赤になる。
これを色相環といいますが、この色相環に沿って少しずつ色の違ったいくつかの色票をばらばらの状態から、順々に並べてもらう検査です。 16色を使ったパネルD-15テストです。
これは基準の色票が一つ固定されており、 その次から残りの15色を順々に並べていくものです。
色覚異常の方でも程度が軽ければ正しく並べることができます。
ですから正常と異常とを区別する検査ではなく、異常の程度を知る検査として大変重要視されています。
程度の強い人は正常とは異なる並べ方をします。
その場合は1型色覚異常(第1異常)と2型色覚異常(第2異常)とで並べ方の特徴が違います。
ですから、程度が強い場合はその特徴を見て分類が可能です。
たとえば緑を感じる視細胞がない、または弱い人は、赤と緑、オレンジと黄緑、緑と茶、青と紫、ピンクと白や灰色、緑と灰色や黒の組み合わせがわかりづらいです。 赤を感じる視細胞がない、または弱い人は、上記の色に加えて、赤と黒、ピンクと青がわかりづらいです。これらの組み合わせは色覚異常の人の目にとって似た刺激であるため、判別しにくいようです。
強度の色覚異常のお子さんの場合は、幼稚園から小学校の低学年にかけて、苦労することが多いようです。
たとえば学校で、「これは何色?」と聞かれて、違う色名をいうと、皆に笑われたりする。4年くらいになると、自分の苦手な色がわかるので、そういうときは黙っていたりします。
自分で対処のしかたを覚えていきます。たとえば、木の幹は茶色、葉っぱは緑ですが、その見分けが難しい場合、色だけでなく、形や性状で見分けて記憶します。つまり葉っぱは緑、幹は茶というわけです。ですから、カバーを取ったクレヨンのように、何の手がかりもない状態では、色がわからなくて困る場合があります。
最も大事なことは、「自分がどういう場合にどういう色を間違いやすいかをわかっていること」であり、それが唯一の自衛策だと思われます。 色覚検査をして事実を知ることは必要でしょう。それがないと、自分が色覚異常だという認識もなく、周囲も、色覚が悪くて色を間違えるのだとは思い及びません。子どもの場合など、ふざけていると思われがちです。
「なりたい仕事があるが、色覚異常はさしさわりがあるか」という質問や、「今やっている仕事に、ちょっと困ることがある」など、仕事絡みのものが多いです。 今ではごく一部ですが、色覚異常では就けない仕事があるということや、就くとハンディが大きい仕事、また、自分がわかっていれば大丈夫だという仕事があることをきちんとお話します。 色覚異常者に対しての「根拠のない差別」と、仕事に就くのが難しいことをきちんと告げる「適正な制限」をうまく分けるのは難しいことです。 しかし、事実を知るのは重要なことですから、色覚検査を行い、色覚異常者が自己認識できるようにし、そうした人たちが住みやすいような世の中を作ることが、より重要です。